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高まる非対面ニーズに対応するDXプロジェクト
―カスタマー統括部の業務内容について教えてください。
<水越氏>
カスタマー統括部はコールセンターやオンライントレードなどの非対面取引に関する企画・立案業務を行っている部署です。メールを用いたお客さまへのご案内やコールセンターと連携した情報提供など、お客さまの資産形成をサポートしています。
―従来の非対面アプローチでの課題について教えて下さい。
<水越氏>
非対面でお取引されるお客さまへのアプローチチャネルの一つにコールセンターによる電話架電があります。当社では、お客さまへの情報提供を強化していく中で、オペレーターの人員拡大にも取り組んできましたが、人員拡大に限界があるため、DXを推進し、電話以外のチャネルを活用した非対面アプローチの効率化を模索していました。もともと過去のお取引データ等から購買確率等を予測してコールセンターによる電話架電に活用していましたが、より精度の高いアプローチを必要としている状況でした。取引データだけではなく、ご案内メールを送信した際の反応や、メールから当社ホームページへのアクセスの情報、現在のお客さまの嗜好情報等も活用して、当社から適切な情報提供ができるようにお客さまの情報を増やしていこうとしていました。
<長谷氏>
非対面アプローチは電話架電が主流で、メールは月に数回程度の一斉配信しか行っておらず、クリック率は非常に低い状況でした。非対面取引口座が年々増加していく中で、オペレーターの数を増やし続けることは難しいので、効率的な非対面チャネルの活用方法を模索していました。
マルチチャネルに対応したBtoC向けのAIMSTARを選定
―非対面アプローチの高度化のためにAIMSTARをご採用いただいたということですね。選定のポイントについてお伺いできますか?
<水越氏>
複数のソリューションを検討した中で、AIMSTARはコンセプトがBtoC向けであり、お客さま一人ひとりに合わせた情報提供を行いたいという当社の要望にマッチしていました。また、伴走型のサポートもご提案いただいており、悩んだ際にはフォローしていただけるという点で、大変安心感がありました。
<長谷様>
実務担当者としては、メールやSMSの送信結果をコールセンターに連携できるマルチチャネル実現の機能を搭載している点や、AI機能を内包しており、分析~AI~MAがシームレスに連携できる点もポイントでした。機能性、支援体制を総合的に勘案した結果AIMSTARを選びました。
30種類のOne to Oneメールと、コールセンター連携で顧客への商品提案に活用
―ありがとうございます。実際にどのように非対面チャネルでAIMSTARを活用されていますか?
<長谷氏>
まず、分析面では、①お客さまのステータス設計 ②施策の効果分析 ③コールセンターのオペレーター向けの分析 ④アクセスログ分析 などを行っています。
<水越氏>
コールセンターのオペレーター向けには、メール開封状況、クリック状況、その後に当社ホームページのどのページをご覧になられたかなどのデータを連携しており、オペレーターは各々必要な情報で絞り込みを行ってリストを作成し、アウトバウンドを行っていきます。電話架電の際、お客さまへの最初の切り口として活用しています
<長谷氏>
施策面では、One to Oneのメール送信に利用しています。現在は30種類ほどのシナリオが常時稼働しています。例えば「投資信託ランキング」「保有銘柄の企業レポート掲載のお知らせ」「エマーシング投資戦略レポート掲載のお知らせ」「為替金利投資戦略レポート掲載のお知らせ」「投資情報案内」「口座開設時のステップメール」などです。「保有銘柄の企業レポート掲載のお知らせ」では、株式会社東海東京インテリジェンス・ラボが発行する企業レポートが更新されたタイミングで、その企業の株式を保有されているお客さまへ、直ちに情報をお届けしています。
投資信託の売上アップに貢献。今後は更なるAI活用で精度UPを目指す
―AIMSTARによる非対面アプローチ開始後、効果として実感されていることはありますか?
<水越氏>
HTMLメールもAIMSTAR上で簡単に作成可能となり、外部委託しなくてよいため、時間もコストも抑制できて大変ありがたいですね。
<長谷氏>
「投資信託ランキング」メールなどは、ご興味をお持ちのお客さまへ幅広く最新の情報を提供でき、投資信託の売上が向上するなど、AIMSTARメールによる効果を実感しています。
また、電話架電したお客さまのうち、メールを送信した後に架電したお客さまと、メールを送信していないお客さまとで比較したところ、約定率にも大きな差が出ています。効果検証を進めながらさらに施策を増やしていきたいと考えています。
―ご活用いただき効果が出ているとのこと、嬉しいお言葉です。さらに施策を増やしていくとのことですが、今後の取り組み予定についてお聞かせいただけますか?
<長谷様>
今後はAIMSTARのAI機能のさらなる活用を進め、AIによるコールセンターの音声テキストデータの解析やAIスコアリングの精度向上に活用していきたいです。またお客さまのライフサイクルに適したOne to Oneコミュニケーションをさらに進めていきたいと考えています。
お客さまの休眠化を予測するAIモデルの構築なども進めており、AIを活用した新しい施策にも取り組んでいく予定です。
<水越様>
GROWTH VERSE様には取引活性化のため、より高度な分析について伴走支援をお願いします。また、今後は非対面取引のお客さまへのアプローチをメインに、対面取引のお客さまにもAIMSTARの活用範囲を広げていきたいと考えておりますので、更なるご支援を期待しています。
―本日は貴重なお話ありがとうございました。