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株式会社セイコー珈琲

DXの次なる一手は「脱・属人化」と「爽やかなパーソナライズ」!老舗コーヒーメーカーの直販EC売上2倍を目指すMA・AI戦略

キーメッセージ

広島県呉市に本社を置き、コーヒーの輸入・焙煎から販売までを一貫して手がけるセイコー珈琲。大手実店舗へのOEM提供を強みとしつつ、将来を見据えた自社EC事業の抜本的な強化に乗り出しました。デジタル改革の推進役として、旧来のMAツールが抱えていた「使いづらさ」や「属人化」の課題を解決するため、「AIMSTAR」をECサイトリプレイスと同時に導入。現場のストレスを解消し、爽やかなパーソナライズに向けた第一歩を踏み出しました。導入の背景について、企画部マネージャーの大岩智絵氏にお話しを伺いました。

株式会社セイコー珈琲の導入事例

目次

老舗地方コーヒー店が取り組むEC成長戦略

―セイコー珈琲様の事業内容について教えていただけますか?

大岩氏:当社は、コーヒーの輸入、焙煎加工、そしてドリップバッグコーヒーの加工販売までを一貫して行っています。事業の大きな特長としては、小売業態の幅広さにあります。具体的には、大手量販店様やドラッグストアチェーン様といった大手実店舗へのOEM提供が主力となっており、多くのお客様に弊社のコーヒーを届けています。 規模感としては、昨年度の売上が45億円、今年度は50億円を見込んでいる成長中の企業です。

また、B2C向けの直販サイトとして運営している「カフェ工房」は、20代後半から80代を中心に、最年長は101歳のお客様まで、非常に幅広い年齢層のお客様にご利用いただいております。この「カフェ工房」の成長こそが、現在の最重要課題となっています。

2025年10月にリニューアルした直販EC「カフェ工房」
2025年10月にリニューアルした直販EC「カフェ工房」

―「EC売上拡大プロジェクト」が立ち上がったと伺っております。この背景についてお伺いできますでしょうか?

大岩氏:当社の売上の中で、ECサイトの売上は1/5程度です。しかし、昨今の世界情勢の影響を受け、今後、主力事業の一つである輸出事業が変動しやすい状況になることを見据え、自社EC事業をより強固な収益の柱に育てる必要性がでてきました。

EC販売チャネルとしては、楽天、Amazon、Yahoo!ショッピング、そして自社本店サイトの4つがあります。その中でも、訳あり商品ではなく、私たちが本当に届けたい「正規品」のみを扱っている本店サイトを、最優先で成長させていきたいという強い意向があります。この本店サイトのポテンシャルを最大限に引き出し、売上を飛躍的に拡大するための戦略的なプロジェクトとして「EC売上拡大プロジェクト」を立ち上げました。

やらなくていいことを見つける。「使いづらさ」との決別と国産ツールへの信頼感

ーAIMSTAR導入前の状況と、課題は何でしたか?

大岩氏:当社では以前からデジタル改革を推進しており、これまでMAツールやCRMツールを導入して、データの数値化や分析を行う環境を整えてきました。

最近の改革コンセプトとして掲げているのは、「やらなくていいことを見つける」ことです。例えば、RPAを活用した業務の半自動化や、一般のお客様向けの納品書の同梱を停止するなど、非効率な作業を思い切って削減してきました。これらの取り組みにより、処理速度が大幅に向上しました。また、結果的にはお客様に値上げの負担割合を減らす結果にも繋がっており、現場にもお客様側にもプラスの影響をもたらしています。

しかし、今まで利用していたMAツールについては課題が残っている状況でした。外資ツールのため用語についてもいまひとつピンとこないことが多く、操作の難しさも相まって社内で私以外にツールを使いこなせるスタッフが定着しませんでした。またプログラムが意図せず停止してしまうなどの問題が頻繁に発生していました。その結果、数年もの間、「やりたいマーケティング施策が十分にできない」という期間が生じてしまったのです。

また、分析面でも分析ツールは活用していましたが、よりマーケティング施策に特化した分析効果検証基盤が必要不可欠であると感じていました。これらの課題と、ECサイトの更改タイミングが重なり、CDP/MAツールの入れ替えを同時に行うことを決断しました。

焙煎から加工まで行う自社工場
焙煎から加工まで行う自社工場

―数あるツールの中から、AIMSTARを選んだ決定打は何でしたか?

決定打となったのは、主に3つのポイントと、担当者への信頼感です。

① 使いやすさ

まず使いやすさです。私が手を離れてもチームとして永続的に施策を実行し、強くなれる仕組みづくりを強く望んでいました。AIMSTARは直感的に操作しやすく、現場スタッフが使ってくれると感じたことが大きいです。これで、本来時間をかけるべき企画や思考の部分に集中できると考えました。

② メイドインジャパンの安心

外資系ツールは、どうしても用語がピンとこなかったり、サポートもFAQベースで手厚くなかったりという不便さがありました。AIMSTARであれば、日本語での手厚いサポートと、私たち日本企業のマーケティングに寄り添った機能に期待できました。

③ AIの専門家が多数在籍

そしてAIの専門家が多数関わっていることです。今後AIの時代が本格化するにあたり、ディープラーニング協会理事の南野さんがGROWTH VERSEの代表を務めていることや、レコメンド担当の方々が、どういうロジックで動いているのかを納得いくまで丁寧に説明してくれる技術力の高さに感銘を受けました。技術力があるだけでなく、私たちに並走してくれる安心感がありました。

最後に、担当営業の方が、ツールの知識だけではなく業界の事情や施策について詳しく、弊社の状況に親身になってくれ、最も信頼できたことも決定打になりました。新しいCDPにデータが蓄積されていく中で、「GORWTH VERSEなら、データ活用の相談相手になってくれる」という具体的なイメージが湧いたからです。

ECリプレイスと同時進行のプロジェクト。3カ月で実現した導入とすぐに見えてきた効果

様々な種類のコーヒーを販売
様々な種類のコーヒーを販売

―ECリプレイスと同時並行でCDP/MAを導入するプロジェクトはどのように進められましたか?

大岩氏:ECサイトのリプレイスが2025年10月に予定されていたのですが、営業の方から「リプレイス完了と同時に新しいMAで配信を開始できた方が今後のデータ活用にむけて効率的だ」という提案をいただき、データがない状態からAIMSTARの導入も同時進行することに決めました。

データがない中で、GROWTH VERSEに事前にコンテンツ制作を進めてもらうなど、スケジュールを綿密に調整しながら進行しました。

また、新しい技術への関心が高いという弊社の社風もプロジェクトを後押ししました。特にAIを活用したレコメンドや検索機能には以前から興味があり、「こういったものは同じ業界の中で先にシェアを取った企業が強くなる」というビジネス感覚から、いち早く導入を進めたいという意見で社内一致し、プロジェクトを力強く進めることができました。結果的に、AIMSTAR本体は導入決定からわずか3カ月でスムーズに稼働にこぎつけることができました。

―現在のAIMSTARの利用状況と導入直後の効果(定性)を教えてください。

大岩氏:現在稼働からまもない状況の中ですが、企画部の2名で、週に3日ほど、主にコンテンツの作成を中心に順調に利用が進んでいます。今後はチーム全体の5名体制で利用していき、データ分析のフェーズにも本格的に進んでいきたいと考えています。

既に従来のMAツールで実施していた、週1~2回の一斉配信のほか、初回御礼リピート促進、誕生日、カート落ちといった基本的な施策は全て実施できています。メールやLINEといったチャネルごとの配信も、これまではそれぞれのシステムから個別に行っていましたが、AIMSTARであれば一つのツールで複数チャネルの実施・管理が可能になるため、今後の数値検証の効率化と高度化をとても楽しみにしています。

そして、まだ稼働したばかりですぐに得られた大きな効果は、「配信停止作業の超効率化」です。以前は、お客様からの配信停止依頼に対し、4つのシステム全てで作業が必要で、それに週に3〜4時間もの時間を費やしていました。しかし、AIMSTAR導入後は、この作業が一瞬で完了するようになりました。タイムラグも解消され、お客様の利便性向上はもちろんのこと、現場スタッフのストレス解消に大きくつながり、みんなが喜んでいます。

自社でコーヒー豆の輸入から焙煎まで行う
自社でコーヒー豆の輸入から焙煎まで行う

AIによる自然で的確な「爽やかなパーソナライズ」で目指す、売上2倍の未来

―今後のEC事業の展望とAIMSTARへの具体的な期待を教えてください。

大岩氏:今後は、新規顧客とリピーターの割合や、お客様が固定客になってくれるまでの購買回数など、より深い顧客インサイトの分析を進めていきたいと考えています。

そして、その分析に基づき、お客様の購買傾向である「4系統(レギュラーかドリップかの軸と、安価なものか高くても美味しいものがいいのか軸)」のタイプに応じたレコメンドの検証と施策を重点的に進めていきます。お客様のタイプに合わせた接客が正しくできないと、逆に失礼にあたってしまうことがあります。私たちは、店舗で実施しているような「爽やかなパーソナライズ」をデジタルで実現したいと考えています。

AI機能への期待も非常に大きいです。既にテスト稼働し始めたAIレコメンドは上記4系統での検証を進め、精度を高めていきたいです。また、AI検索についても、高齢のお客様も多いので入力の手間が省けることで、UX改善に直結する点に大きく期待しています。 例えば「コーヒー」と入力したら「コーヒー ヨーロピアンブレンド」のように自社に適した候補かつ、個人の趣味嗜好を捉えて細かく出てくるようなUIを実現したいです。

現在は「カフェ工房」のみでの利用ですが、ここで成果を出すことができれば、将来的にはBtoBの通販サイトなどにもAIMSTARの活用範囲を広げていきたいと考えています。

―今後の目標と、AIMSTAR検討中の企業へのアドバイスをお願いします。

大岩氏:目標としては、広告費を大きく増やすことなく、本店サイトの売上を1.5倍から2倍にすることを目指しています。既に初動としては見込める状況で推移しており、手応えを感じています。

AIMSTARを検討中の企業様には、メイドインジャパンのツールである点が非常に良いと強くお伝えしたいです。そして、何よりも担当者全員(営業、導入担当者、AIレコメンド担当者)が本当に素晴らしく、弊社の課題に真摯に向き合ってくださっています。

初期構築完了後に始まるCS会(定例サポート)にも期待しており、プロのアナリストによるコンサルティングサービスもぜひ追加検討していきたいと考えています。例えば、F2、F3、F4(2回目、3回目、4回目購買)への引き上げ方や、新規獲得と離脱のバランス、客単価を上げる具体的な施策など、専門的な視点でのアドバイスを求めています。

パーソナライズ接客は、まずシンプルで確実な運用を重ねたあとに、「購入いただいた商品がそろそろなくなる時期ですね。こちらの商品はいかがでしょうか?」と最適なタイミングでメールを送るような、細やかな接客へと移行していきたいです。人が人でしかできない創造的な企画や思考に時間を避けるように、AIやCDPを活用していく。そしてお客様の購買体験を心地よいものにしていくことを実現し続けていきたいと考えています。

―本日は貴重なお話ありがとうございました!「人が人でしかできない創造的な企画や思考に時間を割く」という明確なビジョンとAIMSTARに対する高い期待感を感じました。今後、AIレコメンドや分析基盤の活用を通じて、「爽やかなパーソナライズ」を実現できるよう全力でサポートさせていただきます。

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