page-top
「活躍するマーケターとは? 採用と育成について」The Marketing Day vol.2 (2/3)

活躍するマーケターとは? 採用と育成について

スプリームシステム寺田
ありがとうございます。
あのお三方からインハウスのお話をお伺いしてきた中で、これ是非私も個人的にお伺いしたい点なんですけど、切り出しちゃってますけど、顧客接点チームと置き換えていただいても結構なんですけど、現状どういう体制でやられているのかっていうのと、あと是非お伺いしたいのが過去の変遷ですね。何きっかけで今の姿に終焉していったのかというか、もちろん今後も変化もされると思うんですけど。このあたりまた小林さんからいかがでしょうか。

オルビス小林
えっとですね、昔は完全に通販と店舗で分かれて、いわゆるチャネルで部署を分けてたんですよね。これあるあるだと思うんですけど、メーカーの。完全にチャネルの視点、メーカー側の視点ですよね。お客様関係なくて、通販とか店舗だとオペレーションが全然違うからメーカー視点、企業視点でそのオペレーションがやりやすいように集めるのがいいっていう話ではあるんですけど、この時代になったときにそれってまったく通用しないですよね。店舗でサンプル触って、帰りの電車の中で商品をスマホで買うみたいな行動っていうのが当然、それが当たり前になってるので、それを変えたのが、社長になって僕が一番最初にやったことぐらいですかね。

スプリームシステム寺田
なるほど。

オルビス小林
通販事業部、店舗事業部、何とか事業部ってチャネルで分かれていたのをすべて変えて戦略と実行にまず変えていったというのがいちばんはじめにやったことですかね。大混乱しましたけど(笑)

スプリームシステム寺田
その大混乱の乗り越え方というか、こういうふうにやっておいてよかったなという振り返りっていかがですか?

オルビス小林
これね、当たり前なんですけど、お客様目線ですべてを語るということをやり続けるしかないんですよ。なんで変えたかっていうとメーカー視点から顧客視点にっていう話で、お客様視点に切り替えたときって、例えば商品を作るとか広告を出す、広告のクリエイティブとか顧客視点にできるんですけど、社内にしみついている無意識の価値観って顧客視点になってないんですよね。なぜなら組織の形態がそうなっちゃってるので。自然とその意識が非常に強くなってるので、顧客視点で本当に売っていくのであれば、お客さん視点で組織の部署も変えていかないと沁みついたものの感覚って、クリエイティブを作るときは顧客視点になるんだけど、そうじゃなくてブランド体験全体を考えるときに顧客視点でやらなきゃいけないっていうことって議論のときの部署が隔てられていちゃいけなくて、やっぱりそこをすごくやるっていうことですよね。顧客視点のところですべて話をしていくっていうので組織を変えちゃうと意識を変えやすいんで、大混乱、オペレーション上は大混乱だったんですけど、そこを問い続けていくっていう感じですかね。

スプリームシステム寺田
基本的に社長に就任された2018年に作った新しい組織っていうのが今も枠組みとしてはほとんど継続されてる感じなんですか?

オルビス小林
そこからもう一段踏み込んではいますね。二段階。もう一段踏み込んでいるかなっていう感じで。CRMっていうところにほぼいろんなものを集約している感じになっているのでどちらかというとアプリをやる、ECをやる、カタログ通販をやるというのが同列だった。昔はカタログ通販の組織が圧倒的に強かったんですよ。当然そうじゃなくてそこを同列にした。アプリのCXを作るところを軸にして全体のブランド体験、そこを軸にしてカタログとかリアルに送るところも考えるっていうCRMの軸をアプリコアのCXツールのところに今かなり寄せたっていうのが進化のところかなって思いますね。

スプリームシステム寺田
なるほどなるほど。ありがとうございます。エニグモさんはいかがでしょうか。須田さん。

エニグモ須田
これなんかあんまかっこいい変遷はあんまりないんですけど、その時その時の課題に応じて進化していったなと思います。最初は本当にマーケットプレイスってマッチング率が高まってなくて今でこそファッションが中心なんですけど、当時は何でもありのものを目指していたので、ブランド品の横で、千葉県の漁師さんがその日採れたアサリ売ってたりとか何でもありのマーケットだったんで、全然売れなかったんですね。その中で、出しても売れないと、出さなくなっていってしまいますし、そうすると商品が少なくなるので、偶然来てくれた人も買わないで去っていく、売れないから去るという悪循環になっていたので、何とか売らないといけないっていう課題があったんで、最初はリスティングにかなりお金をかけてアバクロを探している、アバクロを出してもらって、アバクロを探している人をリスティングで強引にBUYMAに持ってきて、マッチングさせて成約させたと。そうするとアバクロ出せば売れるんだっていうことが何となく浸透してきて、アバクロの商品率が増えてきて、買う人もアバクロがたくさん売っているサイトだってことでアバクロ探している人がだんだんやってくるようになって、アバクロでだんだんマッチングが上がって好循環になっていった、みたいな感じだったんですね。

そういう形で最初は強引にリスティングで集客をして、そうするとだんだんお金ばっかりかかってしまうので、アバクロっていうキーワードをSEOでがんばって持ってこようっていう発想になって、そこからSEOにすごく力を入れていって、そこから今度グーグルのアルゴリズムの変更とかで売上が下がってきた会社とかを何社か見てくる中でグーグルの依存度を下げないといけないっていうところで、今度はアプリを開発をしてアプリで長く使ってもらったり、アプリのプッシュ通知で集客したりという形でチャネルが増えていって、そうなってくると効率的に、もっとデータを使いながらいいタイミングでいろんなチャネルで集客していったほうが効率いいってことで、データサイエンティストとMAツールが登場してきて、それでもだんだん世の中検索しないでインスタのタグで商品を探すみたいな次の消費行動が出てきたことで、SNSとかソーシャルマーケみたいなところに今度は力を入れていったという形で今はもうフルでやっているんですけども、その時その時の課題とかこの先2-3年の変化みたいなのを見ながら形を変えていって今に至っている感じです。

今はそういうものをある種、チャネル別とか機能別にわけていて、ペイドの部分とSEOの部分と、MAとソーシャル。って4つが主な集客になっていてそれぞれ担当がいるような形になってます。ただまあ根底にあるのはやはり今どういう商品をどういうお客さんに売っていくか、見てもらうかっていうのが根底にあるので、その前段に四つの集客口の前段にターゲット別というか商品別の組織があって、レディースチームがあって、メンズチームがあって、ベビーキッズチームがあって、ライフスタイルカテゴリチームがあるみたいな形で、そこで何を押していくかとか何が今、今度はやりそうだとか、このキーワードが今後増えていくであろうとかそういったところを打ち出して、それらを各チーム、各チャネルでコンテンツを作ったりとか、キーワードを押したりだとかそういう形で集客してきている、マーケティングしていっているというような感じになります。

オルビス小林
須田さん、よろしいですか? 僕、BUYMAさん相当長く、結構ヘビーに使わせていただいて(笑)

エニグモ須田
ありがとうございます(笑)

オルビス小林
今のお話の変遷の中だと、例えばそのプラットフォーム、メルカリみたいなプラットフォームのほうが、要はもう自分が使ったものを中古流通市場もう何でもフルでカバーして何でも取引してくださいって感じだと思うんですけど、BUYMAさんだともうちょっとかなり絞られてきている。ブランドものとかになってきたと。その変遷の中で事業そのものがマーケティングだとすると、そのマーケティングに必要な人材とか入ってくる人とかって変わってるんですか? つまりそのプラットフォームとかIT企業に入りたい人なのか、それとも割とブランドとかファッションに興味がある人に変わってきているのか、それが自然に変わってきたのか、意図的にそうしているのかとか、そういうところってありますか?

エニグモ須田
いやすごくいい質問をありがとうございます。まさにその通りで、もともとはなんでもありの本当に大きなプラットフォーム、イーベイとかヤフオクとかそういったものを作りたかったのでIT人材が、もっというともっと山っ気のあるザ・ベンチャーみたいなメンバーが最初多かったんですけど、そこからやはり必要な、戦略に従って組織が変わってくると思いますので、そこからファッションに特化していった中でIT部分はありますけども明らかに変わったのはアパレル出身者がすごく増えました。採用するときに。それは我々もどういう会社になっていこうかって話したときに、ITで世の中を変えるというのはありつつもビジネスとして考えたときに当面ファッションが稼ぎ頭になるので、そこに詳しい人材も取っていかないといけないということで採用をかけていた中で大手のアパレル出身者というのが結構大量に抜けてくるようになりまして、今までだったらITのスキルがないんでとらなかったような人たちも途中から採用するようになってその人たちが逆に会社に入ってITスキルが上がって、データベースをたたいたりとかそういったことができるようになって、IT化していったというような形ですね。

オルビス小林
なるほど。我々だと、少し逆で、ブランドで化粧品やメーカーでやってきたので、だけどアプリをコアにブランド体験を設計していく。これがもう400万ダウンロードまで国内でもいってるんで、逆にこれがメガベンチャーさんとかと採用を争っていくというようなことを今我々やって、逆にデジタル行きたい、IT行きたいというような人材比率を我々があげていっている感じですね。

エニグモ須田
なるほど。じゃあバッティングしてくるんですね(笑)

オルビス小林
そうそうそう、そうです。市場的にもそういうふうになってきますよね。昔ながらのメーカーか何かっていうのじゃなくて。そこが相当バッティングしてくるから大変だなと思ってますね。

エニグモ須田
そうですね。

スプリームシステム寺田
南野さん、そのあたりの過去の変遷であったりとか、ちょっとこれテーマ遷移させちゃいましたけど。マーケターの方の採用だったり育成って。過去の経緯、現状いかがでしょう。

FiNC Technologies南野
何となく統合されてきたっていうのが僕の中の潮流で、最初ってオーガニック、まずペイド、グロースハックが全部部署で分かれていた、みたいなところで、取ってくる担当みたいなのと、取ってきたのをしっかり成長させていく、継続してもらう担当みたいな、に分かれてたんですけど、それが最初としたときに次に起こったことは、グロースハックとペイドと企画、プロダクト企画は一緒にしていいこうみたいなところが第二世代で起こったこと。最近ちょっとやっていることでいうとエンジニアもそのチームに入れちゃおうみたいな昔はエンジニアチーム、開発チームは僕が見てたところもあったんで開発は組織としてはまったく別の中で社内で企画と開発とマーケと話し合いながら作っていくみたいな感じやったんですけど、それさえもすべて一個にしていくみたいなところで事業に対してすべてのチームが一緒になって向かっていくと。その中で得意領域が違うというようなチーム構成にしていってはいたりします。それがちょっとうまくいくかどうかみたいなところと、各社見ててもハイブリッド型とか開発チームはその事業に入っている方とかいろんな布陣があると思ってるんで、その中でうちの今の会社のチーム構成とか役員のスペックとかスキルセットとか見たときにその形がわかりやすいんじゃないかなみたいなところで今ちょっと試してみてるんですけど。そういった形の変遷を遂げてきていますね。

最近すごい迷っているのが、デザイナー、デザインってめちゃくちゃ大事だと思ってて、いろんな著書とか読んでいるとデザイナーがユーザー体験を設計していくみたいなところの司令塔になるのが一個面白いなと思っていて、最近そういったところのデザインチームを育成したいというか、何ていうんですかね。マーケティングの知識とかもデザインチームに注入したりとかしてインタビューとかはデザインチームにしてもらうとか、そういったところもちょっと着手しだしたみたいなところが最近のうちの中でやっていることですね。

スプリームシステム寺田
まさにこうエンジニアの方にマーケティングを見ていただくとか、マーケティングの方にデザインをやったりとかって本質的に経営に近づいていけばいくほどそれぞれやらないといけない範囲が広がっていって結局すごいジェネラリストが求められて、そんな人どこにいるんだっけ問題にいきがちだと思うんですけど、そのあたりの折り合いというか理想的な姿に近づけていくための、社内の育成というのか教育というのか、別の体制の取り方なのか、FiNCさん的にはいかがですかね。

<FiNC Technologies南野
あんまり答えるところがないんですが会社としてどういう思考で組織を作るかというはところは一個大事だなと思ってて、僕たちは結構toCアプリ、アプリがコアな会社でテクノロジー大事だといったところを大切にしたいなと。それをベースにユーザーに価値を与えていきたいなと思っているので、結構クリエイティビティとかそういったところが発揮できるような組織作りとか社風とかにしていきたいなとは思ったりしているので、デザイナーの人にもっと頑張ってもらいたいと最近社内では周知しているし、ビジュアルとかはやっぱりすごい伝えやすかったりとかわかりやすかったりするので、インタビューしながらビジュアル化できるデザイナーがいたら、議事録読むより、ビジュアルで見たほうがみんな共有するにも早いと思ってて、そういったところまで消化できたらすごい面白いなと思っているんですけど、それがちゃんとできるのかみたいなところはこれからやっていきたいなと思ってます。

エニグモ須田
結構MAツールとかで送るクーポンが今までは1000円送ったほうがいいか、1500円送ったほうがいいかとか効果測定してたんですけども、同じ1000円でもデザインによって全然違かったりするので、デザインもROIにすごく貢献するなと思ってまして、うちのクリエイティブディレクターという職をいちばん上に置いてデザインを重視するっていうのは社内的には伝えていて、そのクリエイティブディレクターがエニグモのデザインコンセプトについて社内で講演したりとか、デザインに対する意識をなるべく高めるようにして、しかもそれがビジネスに繋がっているというのを伝えるようにはしていってますね。

<FiNC Technologies南野
小林さんのところはプロダクトもビジュアルもデジタルもあると思ってて、ものもあるじゃないですか。デザインのチームとかの構成とかどんな感じでやられてるんですか?

オルビス小林
エニグモさんに近くてクリエイティブディレクターを立てて、かつVIみたいなクリエイティブディレクションも作って、そこでコントロールをするようにしていますね。昔ばらばらだったんで、やっぱりクリエイティブディレクター立ててやってますね。

FiNC Technologies南野
クリエイティブディレクターの方がアプリも商材もUXも含めて横ぐしで見ていくみたいなところでトンマナ調整していくみたいな感じなんですか。

オルビス小林
えとね、世界観までですね。クリエイティブディレクターが我々みたいな世界観、ブランドのビジネスをやってる世界観のところが、アプリのUIまで本来クリエイティビティですよね。だけど、ちょっとそこまでは専門的な知識がいったりもするのでそこまでは至ってないんですけど、全体の世界観、VIみたいなところをクリエイティブディレクターが今はやっているというまだそういう段階です。

矢印画像

お役立ち一覧に戻る